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考察:わたしはサムじゃない

BOOK

 

 

わたしはサムじゃない
リリーってだれ?

サムは10歳の時に性的虐待を受けているが、
パトリックには秘密にしていた。
リリーというのは本人が自覚していなかった別人格。
何がきっかけでリリーに人格チェンジしたかは不明。

怪しい人物がいるとすれば、MRIの医師、あるいはセラピスト。
MRI医師は初対面であろうサムの名前をリリーと呼んだ。
あるいはサムがパトリックに秘密でセラピストにかかっていた可能性。


状況的にはセックスをスイッチとする催眠術の類いが疑われる。

 

パトリックが幼児人格のリリーを強姦したことは問題ではない。
パトリックは被害者。
サムはパトリックを罵るが、事実のみに着目して経緯を全く無視しており、不自然ですらある。
10歳時点で性的虐待加害者である中年のビルを愛していたという点を考えると、むしろサムの方が逸脱した性癖を持っているように思える。

サムは「どうしてわたしへの救いの手を断ったの」と言ってパトリックを責めた。
わたしというのはリリーの人格を指すと思われ、それをわたしと認識している。
つまり、リリーとしてセラピー治療を受けたかったと解釈できる。
誰にも言わずにいたビルおじさんとの性的関係が心に傷を残しており、リリーの人格が表れていた18日間がそれを癒すチャンスだったという可能性。

そもそもリリーという人格が幼児期から存在していたのかもしれない。
あるいは心の傷がリリーという名前で人格として封じ込められたことも考えられる。
リリーとサム、あるいは別の人格、どれが本質かはサム本人にも曖昧であるが、ここ数年はサムでいた時間が長いと思われる。

 

猫のゾーイは謎。

 

いずれにしても読者に真相は分からない小説。

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